I国際放送50年記念切手(2種連刷)
日本の国際放送は、昭和10年(1935)に、北米西部とハワイへ向けた短波放送から始まります。戦時中の中断後、昭和27年(1952)「ラジオ日本」の名前で放送が再開され、昭和35年(1960)には全世界へ向けての放送が開始されました。現在ではテレビの国際放送も行われています。国際放送開始50周年を記念して発行された切手の図案は、山桜の大樹を中心に群れ立つ緑の松と赤く燃えるかがり火を描いた日本画壇の重鎮・横山大観の代表作「夜桜」です。
原画は六曲二双屏風(大倉集古館収蔵)で昭和5年(1930)、大観自らが使節団長を務め訪伊した「ローマ日本美術展」へ出品されました。横山大観の作品は、この「夜桜」の他、昭和42年(1967)に発行された「国際観光年」記念切手に不動の富士と、その前を通り過ぎる鶴の群れを描いた85歳の時の作品「霊峰飛鶴」、昭和58年(1983)発行の近代美術シリーズ切手・第16集に20歳代の作品「無我」などが使用されています。また、大観自身の肖像が描かれたイラスト切手が旧チェコスロバキアから発行されています。
■種別=記念切手 ■額面=60円×2種■発行日=昭和60年6月1日 ■発行数=1千5百万枚

J国土緑化運動・国際森林年切手
戦争などによって荒廃した国土に緑を復活させようという国土緑化運動は、戦後間もなく始まりました。以後、「緑の羽根」募金運動の広がりと共に毎年都道府県持ち回りによる植樹祭が開催されるようになります。最初の「国土緑化運動」切手は昭和23年(1948)に発行され、大地に強く根をはる樹木が大きく描かれています。昭和40年(1965)の鳥取県での開催以降は、毎年記念切手が発行されています。平成5年(1993)に沖縄県糸満市で開催された全国植樹祭を記念して発行された切手は、デイゴの花とサンゴ礁に囲まれる島の図案(JA)。デザインした内田悦子は暑中見舞用郵便葉書(かもめーる)や、年賀郵便切手などの図案を数多く手掛けています。国土緑化運動50周年にあたる平成12年(2000)に大分県で開催された全国植樹祭を記念した切手は、図案に九重連山、大分県の県花である「ブンゴウメ」と県鳥「メジロ」が描かれています(JB)。また、平成20年(2008)に開催された全国植樹祭を記念して、開催地・秋田県の「ふるさと切手」として発行された切手(JC)は、切手2連を1図案として5種をシート化した珍しい構成です。写真のチングルマと森吉山の図案の他、イワカガミや紅葉など3名の写真家の作品を図案化しています。
デイゴとサンゴ礁に囲まれた島 ■種別=記念切手 ■額面=41円 ■発行日=平成5年4月23日 ■発行数=2千2百万枚/ブンゴウメとメジロと九重連山 ■種別=記念切手 ■額面=50円 ■発行日=平成12年4月21日 ■発行数=2千5百万枚/秋田県ふるさと切手「国土緑化」 ■種別=ふるさと切手 ■額面=50円×10枚 ■発行日=平成20年6月13日 ■発行数=百万シート

K第15回国際植物科学会議記念切手
平成5年(1993)8月23日から9月3日の12日間、パシフィコ横浜(横浜国際平和会議場)で開催された第15回 国際植物科学会議(International Botanical Congress)を記念した切手。環境問題や種の多様性保持の問題から、大気汚染・地球温暖化など多方面にわたる発表・講演が行われました。切手(KA)の図案のコウヤマキ(高野槇)は、常緑の針葉樹であり日本三大造園木の一種です。平成18年(2006)に誕生された秋篠宮家の長男・悠仁親王のお印としても脚光を浴びました。シラネアオイ(KB)は日本特産種の多年草、白根山(日光)で多く見られ、大輪の美しい花がタチアオイに似ていることから白根葵と呼ばれています。別名「春芙蓉」。
■種別=記念切手 ■額面=62円×2(連刷ペア) ■発行日=平成5年8月23日 ■発行数=1千6百万枚





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