公益財団法人花と緑の農芸財団
Reader'S page たねまき めぐり会えた鯉のぼり 「場」を創るということ 花と緑と農芸の里を描く 方言は言葉の花 心の中の大切な花 子どもの心を育てる 大手町の花と緑 心を耕し、心に種を播く。 ちいさなかごに 花に恋して

 毎朝、ブログに花の写真をUPして6年になります。
 早生まれで幼い末息子が小学校に入学した時に、校門の近くの交差点まで一緒に歩いていました。桜の花びらがひらひらと舞い落ちる中、花びらの道をうれしく歩き始めたのを覚えています。行きは息子と一緒に「おはよう」「きれいに咲いたね」、なんてお花に話しかけながら(笑)。帰りは一人で遠回りをしながらお花の写真を撮らせてもらいました。
 お花を好きになったのは、まだ私がヨチヨチ歩きの頃のようです。姿が見えずに慌てて探すと庭の芝桜の前でちょこんと座っていたと母が懐かしそうに話してくれました。
 おてんばだった小学生時代は鶴見川の土手でつくしや野蒜を摘んだり、数珠の実をたくさん集めて糸を通してネックレスにしたり、ガマの穂をソーセージに見立てておままごとをしたり、気がつくと常にお花が傍に咲いていました。
 箸が転がっても笑うような女学生の時は花より団子だったみたいで、残念ながらあまりエピソードがないのです(笑)。

 お勤めをするようになって生け花を習い始めました。今振り返ると、生け花は人間で例えるなら「トップモデル!」。最高の舞台で一番美しい姿を披露しているように感じました。勉強できてとてもよかったです。
 そして、結婚して成田へとやってきました。四季をお日さまと風で感じる素晴らしい土地で小さな庭を持ちました。
 好きな花をせっせと植えましたがうまくいきません。枯れてしまったり、虫がついたり、大きくなりすぎて収拾がつかなくなってしまったり…。それもそのはずです。
 お花の気持ちは全く無視して好きな花を買ってきては植えていたのです。
 日向が好きな花、日影が好きな花、水がたくさんほしい花、水が苦手な花、花にも個性がいっぱいあるのに、花の声を聞いていませんでした。(ごめんね)

 花の里での寄せ植えの会に参加した時、山田先生がおっしゃった言葉にハッとしました。
 「朝起きて、早く会いたくて庭に走るようになったら一人前」と! そうなんだ! 花に恋をしなくっちゃね。
 まだまだ失敗は多く、しなしなっと花が下を向いてしまう時や水やりが足りなくて葉っぱが黄色くなってしまうことなど数えきれませんが、たくさんのお花と話をしながら過ごしています。
 花は毎日プレゼントをくれるように美しく咲いてくれます。あまりの美しさに息をのんだり、可憐な花で思わずうたを歌ってしまったり、初めて会う花でパソコンで名前を調べたり、毎朝UPする花の写真にたくさんの方が元気をもらっていると言ってくださるようになりました。
 これからもたくさんの花に恋をして、花に寄り添う暮らしをしていきたいと思っています。