高遠の桜
長野県のふるさと切手として平成12年(2000)に発行。
▲長野県伊那市の高遠城址公園の桜です。明治時代になって旧高遠藩士たちが馬場に植えられていた桜を高遠城址に移植したもの。その多くは小ぶりで赤みの濃い「タカトオコヒガンザクラ」です。毎年開催される桜まつりへは全国から25万人もの花見客が訪れる。「天下第一の桜」と称される桜樹林は、県の天然記念物に指定されています。高遠町ではその美しさを後世に伝えようと、保護育成のために『桜憲章』を定めています。

■石割桜
■三春滝桜
■久保桜
岩手県盛岡市の地方裁判所構内にある石割桜は、巨大な花崗岩の岩の狭い割れ目に咲く直径約1.35m、 樹齢が360年を超えるといわれるエドヒガンザクラ。国の天然記念物指定。平成12年(2000)に東北6県のふるさと切手として発行されたうちの一枚。
福島県田村郡三春町に咲く三春滝桜は、樹齢推定千年を超えるベニシダレザクラ。高さ13.5m、根回り11.3m、枝張りは最長14.5mという圧巻の巨木。国の天然記念物指定。平成12年(2000)に東北6県のふるさと切手として発行されたうちの一枚。
山形県の長井市立伊佐沢小学校のすぐ横で咲く久保桜は、樹齢は1200年といわれているエドヒガンザクラの巨木。国の天然記念物指定。平成12年(2000)に東北6県のふるさと切手として発行されたうちの一枚。

■沖縄の桜
■カワヅザクラ
■千鳥ヶ淵の桜
平成14年(2002)に発行された、ふるさと切手「沖縄の花」4種のうちの一枚。ヒカンザクラ(緋寒桜)の名所として知られる八重岳から望む伊江島。花は他にハイビスカス、ブーゲンビレア、テッポウユリ、セイシカが描かれました。
濃紅色の蕾と早咲きで知られるカワヅザクラは、1955年(昭和30年)に静岡県賀茂郡河津町で原木が発見されました。今では河津川沿いの約3kmがカワヅザクラの並木道になって毎年大勢の観光客で賑わっています。平成18年(2006)に静岡県のふるさと切手として発行された2種連刷りの切手の「メジロと河津桜」「河津桜」は、切り絵作家の瀧 健太郎の趣き溢れる原画によるものです。
毎春、皇居のお濠沿いに続く
遊歩道にはソメイヨシノなど
約260本の桜が咲き誇ります。
ふるさと切手「東京の四季の
花・木コレクション」として平
成18年(2006)に「赤坂迎賓
館とバラ」「国営昭和記念公園
の秋桜」「湯島の白梅」との
セットで発行されました。

■千鳥ヶ淵の桜
毎春、皇居のお濠沿いに続く遊歩道にはソメイヨシノなど約260本の桜が咲き誇ります。ふるさと切手「東京の四季の花・木コレクション」として平成18年(2006)に「赤坂迎賓館とバラ」「国営昭和記念公園の秋桜」「湯島の白梅」とのセットで発行されました。
▲青森県弘前市の弘前公園の桜は、旧津軽藩士が25本のカスミザクラなどを城内に植えたのが始まりとされています。現在、ソメイヨシノを中心に枝垂れ桜、八重桜など約50種類2600本の桜が咲き誇ります。

■中国地方の桜
■京都の枝垂れ桜
■奈良公園の桜
平成14年(2002)にふるさと切手「中国地方の自然〜桜」として発行された2連切手。「斐伊川堤防桜並木(左)」=シジミ漁で有名な宍道湖へ注ぐ斐伊川(島根県大原郡木次町)の堤防沿いの約2kmが桜並木として整備されています。「備中国分寺五重塔(右)」=奈良時代に建立された国分寺跡地に江戸期に再建された「備中国分寺」(岡山県総社市)の寺地にある五重塔の周りは桜だけでなく、四季折々に優れた自然景観をもつ吉備路のシンボル的存在となっています。
ふるさと切手「ふるさとの花」シリーズの第2集として平成20年(2008)に発行された5種(額面50円)のうちの一枚。他には福井県のスイセン、和歌山県のウメ、秋田県のフキノトウ、福岡県のウメがあります。同じ花種で図案を変えた額面80円も同時に発売されました(左上画像)。
平成22年(2010)の「平城遷都1300年記念事業」に先駆けて、その前年にふるさと切手「旅の風景シリーズ」第5集として発行された奈良公園を描いた切手集(連刷2種を含む全10種)。書画作家のはなてる氏による趣きあるシート背景も魅力のひとつだった。奈良公園は東大寺、春日大社、興福寺、正倉院など多くの国宝指定・世界遺産登録建造物が点在し、年間を通じて国内外から多くの観光客が訪れる日本を代表する観光地。日本さくら名所100選に選定されていて、切手に描かれた浮見堂周辺で花見を楽しむ人も多いそうです。

※掲載の切手画像の大きさは実寸とは異なります。
■切手画像は、郵便切手類摸造等取締法に基づいて掲載させて頂いております。切手画像をこの印刷物から模倣・再現すると
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■記載の事柄・史実について誤りがあれば、それはひとえに編集小子の不見識・不勉強によるものです。ご容赦願います。
■この頁は本誌第66号掲載の「掌中の花園(前編)」と同様に、切手収集家N氏にアドヴァイスを頂戴し、貴重な切手画像を拝借致しました。ご協力に心より感謝申し上げます。引用・参考にさせて頂いた文献・WEB SITE名も「掌中の花園(前編)」と同様です。



本記事は2013年春に発行の「花の心第69号」に掲載されたものです。


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