■フジザクラ
(山梨県)
■ナラノヤエザクラ
(奈良県)
■ソメイヨシノ
(東京都)
上記3枚の切手は、平成2年(1990)に「ふるさと切手」として発行された47都道府県の県花を一枚のシートに並べて47連刷りした中の桜の切手です。「地方の時代」を受けてふるさと振興を目的に、全国の素敵な花々をはじめ、地域の風物や自然・行事などを図案として地方限定で発行され始めたのが「ふるさと切手」。この47都道府県の県花を一枚にした圧巻のシートは、例外的に全国の郵便局で発売されました。企画や立案が、各地方の支社で行うという点が大きな特徴であり魅力であった「ふるさと切手」ですが、郵政民営化後の平成20年(2008)からは「ふるさと」をテーマとした全国発売切手へと変更されてしまいました。

■平等院の桜
■兼六園の桜
■河口湖畔の桜
平成3年(1991)に国土緑化運動記念切手として発行。描かれているのは枝垂れ桜と北山杉と平等院鳳凰堂。約1000年前に建立された世界文化遺産の平等院(京都府宇治市)の浄土庭園には、ソメイヨシノや枝垂れ桜などが咲き誇ります。
平成11年(1999)発行。兼六園の四季を描いた4種の石川県のふるさと切手のうちの一枚。瓢池の中にある島に立つ海石塔の傍には兼六園の枝垂れ桜の中で一番の老木が咲きます。散った桜花が海石塔に流れかかる様が美しく描かれています。
平成11年(1999)発行。山梨県のふるさと切手として富士五湖の風景を描いた5連刷のうちの一枚。河口湖では逆さ富士で有名な産屋ヶ崎や河口湖北岸、湖北ビューラインなど湖畔周回道路沿いに約300本の桜が咲き誇ります。

■飛騨高山の桜
■高田城址の桜
■身延山久遠寺の桜
ふるさと切手「心のふるさと飛騨」として平成7年(1995)に4連で発行されたうちの一枚。タイトルは「春の高山まつり」。高山まつりは、精巧なからくり車や仕掛け車など、匠が技を凝らした屋台が見物。この切手は平成22年(2010)に復刻発売されています。
新潟県のふるさと切手として平成13年(2001)発行。新潟県上越市の高田城址(高田公園)の桜は、明治42年(1909)に帝国陸軍第13師団の入城を祝い在郷軍人団が城址に植樹したのが始まり。約4,000本の桜は、「日本三大夜桜」のひとつとされています。
平成13年(2001)に山梨県のふるさと切手として5連で発行されました。山梨県内の5つの行政区分(峡中・峡東・峡北・郡内・峡南)のそれぞれの名所や美しい風景が描かれています。この「身延山久遠寺の桜」の他、「桃の花と白峰三山」「北岳とアヤメ」「八ヶ岳高原と馬」「忍野八海」の5種。原画は画家の笠松喬介氏によるもの。

身延山久遠寺は、山梨県南巨摩郡身延町にある日蓮宗の総本山。境内に樹齢400年を超える「全国しだれ桜10選」にも選ばれた2本の枝垂れ桜があります。1本は祖師堂の前を彩るように薄紅色に咲き誇り、もう1本は客殿の前で大きな枝を支柱に支えられながら豪華な花を咲かせます。



本記事は2013年春に発行の「花の心第69号」に掲載されたものです。


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