世界遺産・冨士に咲く花

山蛍袋ヤマホタルブクロ
Campanula punctata Lam.
var. hondoensis
キキョウ科ホタルブクロ属の多年草
三合目付近の砂礫地や草地に咲く。ホタルブクロとは萼片の形が異なる。
  三葉土栗
ミツバツチグリ
Potentilla freyniana
バラ科キジムシロ属の多年草
山麓の登山道脇の溶岩砂礫の上に
匍匐茎を伸ばして咲く。
黄苑キオン
Senecio nemorensis
キク科キオン属の多年草
日当たりの良い奥庭付近に見られる。
別名「ヒゴオミナエシ=肥後女郎花」
  岩鬚イワヒゲ
Cassiope lycopodioides
ツツジ科イワヒゲ属の常緑小低木
7月、五〜七合目の岩場に咲く。
髭のような茎の先に白い風鈴型の花、
葉が茎を覆っているのが特徴。
御蓼オンタデ
Aconogonon weyrichii
タデ科オンタデ属の多年草
分布は森林限界より上部の
標高2,400m〜3,300mにまで及ぶ。
根はほぼ垂直に1m以上も伸びる。
  車百合クルマユリ
Lilium medeoloides
ユリ科ユリ属の多年草
7月頃五合目付近の御庭で見られる。
富士山のクルマユリには
花弁の斑紋がなく群生はしない。
深山秋の麒麟草
ミヤマアキノキリンソウ
Solidago virgaurea var. leiocarpa
キク科アキノキリンソウ属の多年草
キリンソウの高山型で五合目付近の砂礫地で多く
見ることが出来る。別名「コガネギク=黄金菊」
  苔桃コケモモ
Vaccinium vitis-idaea
ツツジ科スノキ属の常緑小低木
2,000m付近に群生地がある。
地元では「ハマナシ」とも呼ばれ
ジャムや果実酒に利用される。
白山石楠花
ハクサンシャクナゲ
Rhododendron brachycarpum
ツツジ属シャクナゲ亜属の常緑低木
標高2,000m以上の厳寒地帯で
葉を丸めた状態で越冬する。
  晒菜升麻
サラシナショウマ
Cimicifuga simplex
キンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草
麓や西側の御中道で多く見られる。
若菜は山菜として食べられる。
褄取草
ツマトリソウ
Trientalis europaea
サクラソウ科ツマトリソウ属の多年草
六〜七合目付近の登山道脇で
6月下旬、小さな花が見られる。
  山苧環
ヤマオダマキ
Aquilegia buergeriana
キンポウゲ科オダマキ属の多年草
北・西側の標高2,200m付近
御中道の草原に多く見られる。
別名「イトクリソウ=糸繰草」
栂桜
ツガザクラ
Phyllodoce nipponica Makino
ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木
「天空のお花畑」とも呼ばれる
牛ヶ窪周辺、荒原の熔岩台地で見られる。
  虎杖
イタドリ
Fallopia japonica
タデ科ソバカズラ属の多年生植物
五合目付近には「メイゲツソウ=
名月草」と呼ばれる赤い花が
咲くイタドリがある。



本記事は会報誌「花の心」71号に掲載されたものです。