第23回

花鉄の部屋第23回-ハクモクレンと芸備線-

タイトル=ハクモクレンと芸備線
撮影者=たか++
撮影地=広島県広島市東区

[花鉄の部屋]第23階は、線路際に咲くハクモクレンの花と「芸備線」です。
「芸備線」は大正4年(1915)全線開業、かつての備中国(岡山県)と安芸国(広島県)を結び昨年100周年を迎えまし。現在はJR西日本の路線として「備中神代駅」(岡山県新見市)から「広島駅」(広島県広島市)間の159.1km、44駅を結んでいます。車窓に広がるのは中国山地の緑の山々や清流の景色、沿線住民の日常の足として活躍しています。
今号の画像は「芸備線」の中で最も利用客数が多い区間である「広島駅」発「下深川駅」行きの2両編成普通列車、国鉄時代の標準職である通称タラコ色(朱5号)に塗装されたキハ47形です。
芸備線を「県内のまわりのローカル線と比較して地味だったりする」という撮影者のたか++さん。今回の[花鉄の部屋]掲載を通して、「そんな芸備線にスポットがあたることがいいな」と快く画像の使用を許可して下さいました。

熱心な鉄道ファンも、そうでない人も、通勤・通学に使うだけの人もそれぞれの想いを抱いて一緒の車両に乗っている---そんな鉄道って”面白い”と語るたか++さんは、同時に「撮り鉄」のマナー向上も呼び掛けていらっしゃいます。
たか++さん管理のWEB SITE【安芸の国から】には中国地方の鉄道写真を含めて、地元愛溢れる日々の暮らしが綴られています。

詩人の坂本真民(1909-2006)が『今年も生きて この花を見る うれしさよ ありがたさよ』と詠んだようにハクモクレン(白木蓮)は、春の訪れを大空に向かって謳歌するように咲く花(モクレン科モクレン属の落葉性高木)です。産毛のような銀色の毛に包まれた蕾が春の陽差しを浴びて開く様は、鳥のヒナが卵の殻を破る時のようです。ビロードにも似た真白で肉厚の花は、花期がとても短く3日ほどで変色が始まります。
よく似ている仲間にシモクレン(紫木蓮=いわゆるモクレン)、サラサモクレン(更紗木蓮)、キバナモクレン(黄花木蓮)やコブシ(辛夷)などがあります。

flower with railway vol.23