第19回

花桃とわたらせ渓谷鐡道

タイトル= 花桃とわたらせ渓谷鐵道
撮影者= MATT(ハンドルネーム)
撮影地= 群馬県みどり市東町神戸(ごうど)

 [花鉄の部屋]第19回は、花桃に囲まれて走る春のわたらせ渓谷鐵道です。

 明治期、足尾銅山から産出される銅の運搬のために敷設された足尾鉄道は、後に国有化され日本の近代化を支えて来ましたが、1973年(昭和48年)に銅山が閉山されると輸送量が激減、赤字路線となりました。国鉄民営化後はJR東日本足尾線として継承されますが1989年(平成元年)に廃止。同年、第三セクターが「わたらせ渓谷線」として営業を開始しました。通称は「わてつ」。

 現在は、風光明媚な渡良瀬川に沿って「桐生駅(群馬県桐生市/JR東日本両毛線と共用)」〜「間藤駅(栃木県日光市)」間の17駅、44.1kmを結んでいます。
 旅愁をかきたてる木造駅舎の「神戸駅」は草木湖や富弘美術館の最寄り駅。構内の約300本の花桃は周辺住民と共に同鉄道会社によって植栽されたものです。
毎年4月には「神戸駅花桃まつり」が開催され、全国からの多くの観光客で賑わいます。駅構内には客車を利用したレストラン「清流」もあります。

 バラ科サクラ属の「花桃」は、花を観賞するために品種改良された可憐な花木で、果実は食用には向きません。ェ仁親王妃信子様のお印でもあります。

 桃源郷の風情ある今号の花鉄に写る車両は、昨年の「花桃まつり」の際に運行されたディーゼル機関車に牽かれたトロッコ車両「花桃号」。特製のヘッドマークが装着されています。
撮影者であるMATT氏は、過去何度か当地を訪ねていたものの「花桃まつり」開催に併せて訪ねたのは昨春が初めてで、あまりの観光客の多さに驚かれたそうです。

 鉄道とは「無理せず自分のペースで、楽しみながら」接して来られたMATT氏のWEB SITE【行くあてのない渡り鳥】には、全国各地の鉄道を巡った氏の旅日記を、現地のグルメ情報などと共に見る事が出来ます。音楽やゲームなど、鉄道以外の話題も豊富です。

 「わてつ」のトロッコ車両は、夏や秋の観光シーズンの他、週末を中心に運行される特別列車で、冬期以外は窓枠なしのオープン車両もあり、昨年5月には天皇・皇后両陛下が初めてご乗車されました。トロッコ車両の運行日や「花桃まつり」開催日などの詳細は、わたらせ渓谷鐵道(株) のWEB SITEでご確認下さい。

flower with railway vol.19