第15回 流鉄と桜・流山線

  [花鉄の部屋]第15回は、春の青空に映える桜と流鉄・流山線です。

タイトル=流鉄と桜
撮影者= 川武鉄道さん(ハンドルネーム)
撮影地= 千葉県松戸市新松戸
 大正5年(1916)に開業、町民鉄道と呼ばれた流山軽便鉄道は様々な変遷を 経て平成20年(2008)に社名を「流鉄株式会社」、線名を「流山線」に改称しました。流山駅(流山市)から馬橋駅(松戸市) の6 駅間5.7kmを結ぶ、わずか11 分間のローカル線の旅ですが、沿線には近藤勇(新撰組)最後の陣屋跡や、俳人・小林一茶ゆかりの記念館、水戸街道きっての古刹・萬満寺などがあります。
 「味醂で名高い流山」── 千葉県北西部に位置し、水運で栄えた「白味醂」誕生の地・流山は、高度経済成長期に宅地整備が進み人口が増え続けました。また平成17年(2005)のつくばエクスプレス開業後は、若い子育て世代の流入が右肩上がりになっているそうです。  麗らかな春の日、幸谷駅〜小金城趾駅間に咲く桜の下を2両編成で走る今号の2000形「なの花号」は昨春引退し、 レモンイエローの先頭車両(重さ40t/ 全長20m/幅2.8m)は、お隣の松戸市にある私設博物館「昭和の杜博物館」に無償譲渡されました。移送にかかる費用などは同館が負担し、専用の見学用プラットホームが完成した昨年の夏から展示公開されています。

 ──めまぐるしい日常の中、「植物は 忘れかけた季節を思い出させてくれる 重要なもの」と語って下さった撮影者の 「川武鉄道さん」は、自宅近くの同じ場所で流鉄と桜を撮り続けていらっしゃいます。毎年、撮影をしながら「今年も桜を見る事が出来たのは、周りの皆さ ん(家族・職場の上司や先輩・同僚・部下) のお陰」と、素直な感謝の気持ちが湧き上がってくるそうです。


流鉄と桜の「花鉄」が見られるもうひとつのスポット、新坂川の土手沿いを走るオレンジ色の「流星号」。撮影は同じく川武鉄道さんです。

「川武鉄道さん」のブログ『こちら川武 鉄道広報課』(http://blogs.yahoo.co.jp/primera709)には、撮り鉄・乗り鉄 として各地を巡られた画像の他、自ら が「川武鉄道」と名付けた、凝ったレイ アウトの鉄道模型の世界が広がります。
 ちなみに、今号の画像で青空に映える見事な枝振りを魅せる桜の木は、現在は剪定され、少々淋しい姿になってしまっているそうです。 昨年開設された『流鉄』のオフィシャルWEB SITE http://ryutetsu.jp/

[花鉄(はなてつ)]とは細分化されている鉄道ファンは、乗ることが好きな「乗り鉄」「旅鉄」、撮影専門の「撮り鉄」、その発車ベルや走行音のファンを「録り鉄」、駅弁を食べ歩く「食べ鉄」、女性の鉄道ファンを「鉄子」などと呼ぶことがあるそうです。そこで、私たちは各地で出会える「花」と「鉄道」が共生する素敵な風景を、勝手に「花鉄」と名付けて愛し続けることにしました。