[花鉄の部屋]第3回は、霞ヶ浦の堰堤をのんびり走る鹿島鉄道(茨城県)と、群れ咲く黄水仙の花とのツーショットです。

タイトル=黄水仙と鹿島鉄道
撮影者=小筆淳一
撮影地=現・茨城県小美玉市付近

「かしてつ」の愛称で呼ばれた鹿島鉄道が廃線になってから、まもなく4年が経ちます。その前身である鹿島参宮鉄道は1922年(大正11年)に営業を開始、一時期京成電鉄グループの傘下となりますが、1979年(昭和54年)に分離独立した鹿島鉄道は石岡駅(JR常磐線接続)⇔鉾田駅間の27.2km(17駅)を結んでいました。
分社化後様々な合理化を推し進めますが、その重要な収入源であった自衛隊百里基地(現茨城空港)への燃料輸送が2002年(平成14年)に中止されて以降、路線廃止への流れが加速しました。
経営改善のために県と沿線5市町村による「対策協議会」が存続を前提とした公的資金を投入、地元の高校生を中心とした存続運動も盛り上がりを見せましたが、その甲斐なく2007年(平成19年)3月31日、利用者、多くの鉄道ファンに惜しまれつつ廃線となりました。
今号の撮影者・小筆氏は、廃線直前の3月12日にその勇姿を記録するために桃浦駅と小川高校駅間の水仙咲く春の土手に寝そべって、列車が来るのを待ちかまえていたそうです。
車両は、鹿島鉄道の代表的なワンマン気動車『キハ432』。上下2色のカラーはいわゆる「金太郎塗り」、個性的な曲線で塗り分けられています。ヘッドには「83年間ありがとうございました−鹿島鉄道」のプレートが取り付けられています。
小筆氏管理のWEB SITE[汽笛の記憶http://kitekinokioku.ninja-x.jp/]では、懐かしい蒸気機関車の画像を数多く見ることが出来ます。
茨城県内の水仙の開花は桜前線とほぼ同時期。国営ひたち海浜公園や水戸市植物公園では群生が見られる他、慶龍寺(つくば市)の境内にある樹齢150年余の枝垂れ桜と水仙のツーショットも秀逸です。

※「鹿島鉄道を守る会」「鹿島鉄道愛好会」WEB SITE、讀賣新聞記事等を参考にさせて頂きました。
 

[花鉄(はなてつ)]とは=細分化されている鉄道ファンは、乗ることが好きな「乗り鉄」「旅鉄」、撮影専門の「撮り鉄」、その発車ベルや走行音のファンを「録り鉄」、駅弁を食べ歩く「食べ鉄」、女性の鉄道ファンを「鉄子」などと呼ぶことがあるそうです。そこで、私たちは各地で出会える「花」と「鉄道」が共生する素敵な風景を、勝手に「花鉄」と名付けて愛し続けることにしました。

  flower with railway vol.3