公益財団法人花と緑の農芸財団

三里塚記念公園

三里塚記念公演

 古くは牛馬を飼育・繁殖のために放牧する「牧」であったこの地に、様々な歴史的変遷を経て設置された下総種畜場(下総牧羊場と取香種畜場が合併)が所管を旧宮内省へ移行した3年後、明治21年(1888)に「下総御料牧場」が誕生しました。以降、宮廷牧場として広大な敷地内では牧畜と農耕を二本柱に、先進的かつ独立採算的な多角経営が行われ、農畜産物の加工は元より日本獣医学発祥の地として、また日本競馬界の先駆けとして活動が続けられました。昭和7年(1932)の第1回日本ダービーの優勝馬ワカタカも、ここ「下総御料牧場」から誕生しました。
 しかし、かの高村光太郎をして「三里塚の春は大きいよ(『春駒』より)」と言わしめ、興隆を極めた御料牧場は、新東京国際空港建設に伴い、惜しまれながら栃木県の高根沢町へ移転しました。
 [三里塚記念公園]は、日本の畜産振興に輝かしい足跡を残した御料牧場の名を長くこの地にとどめるため、その一部(2.9ha)を現・財務省より無償貸与された成田市が整備、管理をしています。

 公園内にある「記念館」には、その歴史と業績、貴重な皇室資料、縁の文人資料などが多数展示されています。また、御料牧場が一般市民に広く開放され愛された様子を垣間見ることも出来ます。昭和初期には15,000本もの桜が咲く一大名所として記録され、戦後も修学旅行生や多くの来場者が牛馬と親しみながら楽しむ風景が残されています。
 和洋折衷建築の「貴賓館」は、明治初期に下総牧羊場の主任技師として招聘された米国人アップ・ジョーンズ氏の官舎として現・富里市にあったものを、後に移築し改装、各国の大公使を招待した園遊会会場や皇室お成りの際の宿舎として使用されました。貴賓館裏手にある「防空壕」は、戦時中に皇太子殿下(今上天皇)の避難地としての役割の中で造られました。

防空壕内部
防空壕内部
貴賓館
貴賓館 平成22年(2010)に改修工事が行われ翌年から一般公開されています。

[花と緑と農芸の里]からは車で約10km。県道62号成田松尾線の旧道を北上し三里塚交差点のすぐ先、左手です。駐車場(2ヶ所)有り。

正門から記念館へ続くのは100mほどのマロニエの並木道。5月中旬に満開の花を咲かせます。御料牧場の往時を偲び、散策してはいかがでしょうか。
information

【三里塚記念公園】
■住所 千葉県成田市三里塚御料1-34 [googleマップで見る]
■管理 成田市役所公園緑地課 TEL.0476-20-1562(直通)

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【三里塚御料牧場記念館】
■住所 千葉県成田市三里塚御料1-34 [googleマップで見る]
■TEL 0476-35-0442
■開館時間 午前9時〜午後4時30分
■休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日休館)/年末・年始(12月29日〜1月3日)
入館料:無料【貴賓館・防空壕】 開館時間及び休館日は記念館と同じ
■※貴賓館は、庭先から見学出来ますが館内には入れません。
※防空壕の見学を希望する方は、三里塚御料牧場記念館の事務室に声を掛けて案内をお願いして下さい。

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