公益財団法人花と緑の農芸財団

今期の[花の輪運動]代表校贈呈式は昨年度に引き続き福島県で行いました。

お訪ねしたのは南相馬市立鹿島中学校内の仮設校舎です。ここでは同市小高地区の4つの小学校(小高小学校・福浦小学校・金房小学校・鳩原小学校)が授業を行っています。 いずれも2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災によって生じた福島第一原子力発電所事故により警戒区域に指定された地区の小学校です。事故後4年近くが経過し、警戒区域が解除された現在、同地区への立ち入りは自由に出来るようになりましたが、一向に進まない生活基盤の整備や除染の関係上、本校舎での再開が不可能な状態が今も続いているのです。

暦の上では「霜降」。秋深まる南相馬では4人の校長先生と、元気な子供たちが私たちを待っていてくれました。そして昇降口の前にはたくさんの花、花、花。たとえ仮設校舎であっても熱心な園芸活動によって潤いある学校環境作りは可能なのですね。とても嬉しく感じました。

花好きの4つの小学校から[花の輪運動]へのご応募を頂き、代表校贈呈式のお礼を含め各校450株(合計1,800株)の花の苗を贈呈させて頂きました。

贈呈式では4校の全児童を前に、福浦小学校江上君子校長のお話、当財団小町文仁理事長の挨拶に続いて、公務多用な中、来賓としてご臨席頂いた南相馬市の江口哲郎副市長が、子供たちを励ますお言葉と共に[花の輪運動]の意義を語って下さいました。
その後、ミニストップ原町大木戸店・原町本町店の菅野重則オーナーやミニストップ(株)東日本営業本部東北営業部の那須俊吾部長、同部峯川健太マネージャーにも加わって頂き、当財団より4つの小学校それぞれの代表児童へ花の苗を手渡しました。那須俊吾部長の協賛社挨拶に対しては、美化園芸委員会の6年生代表児童から「ありがとうございました。大切に育てます。」というお礼の言葉を頂きました。
贈呈式終了後は、合同授業を行っている3校の5・6年生が取り組む栽培活動の授業時間でした。江口副市長をはじめ、南相馬市教育委員会の学校教育課佐藤昌則課長や同課橋本浩幸指導主事など列席者全員が合流させて頂き、園芸担当の先生たちが事前に耕耘、準備をして下さった花壇やたくさんのプランターに、子供たちと一緒に花の苗を植える事が出来ました。

昨秋に自動車の通行のみ可能となった国道6号を北上、福島の子供たちを取り巻く厳しい環境が少しずつでも改善するように祈りながら帰還困難区域を通過しました。今回伺った各小学校も震災後に児童数が激減。夏暑く、冬は寒い2階建てプレハブ仮設校舎の1階は小高小(児童82名)が使用し、2階では福浦小(児童31名)、金房小(児童34名)、鳩原小(児童11名)が合同で授業を行っています。昨年11月には待望の仮設体育館が完成しました。

■各校の情報は「南相馬市教育ポータルサイト」からご覧頂けます。
福島県内外で区域外就学を余儀なくされている子供たちと南相馬の子供たちとを繋ぐ「絆」サイトです。